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離れて暮らす親の孤独、どこに相談?地域包括支援センターの活用ガイド

Tags: 高齢者, 孤独, 見守り, 地域包括支援センター, 相談, 遠距離介護

離れて暮らす高齢の親御さんが一人で過ごす時間が増え、孤独を感じているのではないかと不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。物理的に頻繁に会うことが難しい中、「親の様子が少し気になるけれど、具体的にどこに相談すれば良いのだろうか」「専門機関に相談するほどではないかもしれない」と感じることもあるでしょう。

このようなとき、まず相談先として検討いただきたいのが、「地域包括支援センター」です。地域包括支援センターは、高齢者の暮らしを地域でサポートするための中心的な機関であり、多様な相談に対応しています。

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターは、お住まいの市町村に設置されている、高齢者の生活を多方面から支援するための公的な窓口です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が配置されており、高齢者やそのご家族からの様々な相談に応じています。

主な役割は以下の3つです。

  1. 総合相談支援: 高齢者や家族の悩みや困りごとに対し、必要な情報提供や専門機関への橋渡しを行います。
  2. 権利擁護: 虐待の防止や早期発見、消費者被害防止、成年後見制度の利用支援などを行います。
  3. 包括的・継続的ケアマネジメント支援: 高齢者が地域で安心して暮らせるよう、関係機関とのネットワークを構築し、支援を調整します。

孤独に関する相談も、この「総合相談支援」の中で対応してもらえます。

地域包括支援センターで相談できる「孤独」に関すること

地域包括支援センターには、「親が最近、あまり外に出なくなった」「話し相手がいないようだ」「心配だけれど、どうすれば良いか分からない」といった、高齢者の孤独に関する漠然とした不安や具体的な状況について相談できます。

具体的には、以下のような相談が可能です。

相談内容に応じて、センターの専門職が状況を丁寧に聞き取り、適切な情報提供や支援の提案を行います。

地域包括支援センターへの具体的な相談方法

地域包括支援センターへの相談は、主に電話や直接訪問によって行うことができます。

1. 事前に準備しておくと良いこと

多忙な中で相談の時間を確保するためにも、事前に親御さんの状況を簡単にまとめておくとスムーズです。

2. センターを探す

親御さんがお住まいの市町村のウェブサイトで「地域包括支援センター」と検索するか、市町村役場の高齢者福祉担当窓口に問い合わせると、お近くのセンターの情報(名称、住所、電話番号)が分かります。通常、中学校区を目安に複数設置されています。

3. 連絡を取る

電話で連絡を取るのが最も手軽な方法です。「離れて暮らす親のことで相談したい」旨を伝え、アポイントメントを取ると良いでしょう。相談内容を簡単に伝えておくと、担当者が準備しやすくなります。訪問して相談したい場合は、事前に予約を入れることをお勧めします。

4. 相談時のポイント

相談する際は、正直に不安や困りごとを伝えてください。専門職は、親御さんやご家族の状況を理解しようと努めてくれます。一人で抱え込まず、遠慮せずに話してみましょう。相談内容に関する秘密は守られますので、安心して相談できます。

相談後の流れと家族の役割

相談後、センターの専門職は、必要に応じて親御さんのご自宅を訪問したり、電話で状況を確認したりすることがあります。その後、相談内容に基づき、親御さんに合った地域サービスや交流の場、見守りサービスなどの情報提供や提案を行います。

家族としては、センターからの提案を親御さんと共有し、サービスの利用について一緒に検討する、必要に応じて手続きをサポートするといった役割が考えられます。また、センターと連携を取りながら、親御さんの状況の変化を共有することも大切です。一度相談したから終わりではなく、継続的な関わりを持つことが、親御さんの安心につながります。

一人で抱え込まずに

離れて暮らす親御さんの孤独について心配するのは、決して特別なことではありません。しかし、その不安を一人で抱え込まず、地域の専門機関である地域包括支援センターに相談することで、新たな視点や具体的な解決策が見つかることがあります。

多忙な毎日の中で、すべてを家族だけで解決しようとせず、専門機関の力を借りることも、持続可能な見守りにとって重要な選択肢です。まずは一歩踏み出して、お住まいの地域包括支援センターに連絡してみてはいかがでしょうか。